ITコンサルタントの年収と平均以上の給与をもらえる人の条件・特徴 2017.02.23
IT業界の中における花形の職種となるITコンサルタント。
技術だけではなく、顧客の経営環境にも精通した上で、文政から改善案のアドバイス、戦略の設計など、より大きな枠組みにアプローチを行う重要なポジションです。
責任が大きく伴うので、その分外のITエンジニア職と比べると、その収入も大きくなります。では、コンサルタントの平均年収は一体どれくらいなのか、また、どんな人が高収入を狙えるのかをご紹介します。
ITコンサルタントの年収はどれくらい?転職に必要なスキルと一緒に紹介
ITコンサルタントの年収は、450~1,000万円ぐらいが主流となります。
独立でも年収1000万円が狙える
年齢的には若手ではなく、50歳代前後のベテランが多いため比例して高い収入となっています。
しかも大手ITコンサルタントであればより高収入となる傾向にあるので、ITコンサルタントとはITエンジニアにとっては、ある種ゴールのような位置づけの職種でもあります。
経営の手腕と実力がある人は自分で会社を立ち上げ独立してしまうことも多く、その平均年収は1000万円以上とも言われています。高収入が得られる職種なので、憧れるSEやプログラマーも多いことでしょうが、昇格するのにはなかなか難しい条件も伴います。
ITコンサルタントへの転職タイミングと必要な経験
ITコンサルタントへの転職には、プロジェクト単位でのシステム構築のSE経験が必要とされることが多くあります。
職種としてはマネージャー層よりも上のポジションとなるため、業界全体でも実はITコンサルタントとして働いている人の分母は多くありません。多くの場合は、コネクションや人脈を増やしつつ、ある程度自分でエンジニアとしてのスキルが身についてきたところが転職としてのタイミングとなるでしょう。
コンサルティングを行うのには、プロジェクトや経営の全体視点を持っていることも重要となりますので、プログラマー経験だけで一人前のコンサルになるにはかなり苦労することが想定されます。20~30代の若い年齢でITコンサルタントになるには、セミナーなどでコンサルティングや経営学の基礎的導入教育をしっかりと学んでおくべきとの意見も多くあります。
未経験からITコンサルタントになろうと思ったら
もしそうしたコンサルティングに関係した仕事が未経験で、教育や支援体制が乏しいコンサルタントファームに転職するのであれば、SEとしての経験やスキルをじっくりと積んでから転職のタイミングを計ることが必要です。そのときには自分のスキルを伸ばすだけでなく、受注から納品までの流れを覚えたり、マネージャー層とのコミュニケーションを増やして経営者視点を養っておくと良いでしょう。
しかし、ITコンサルタントの仕事は、求人数自体が少ないので、チャンスがあったら早いうちから志願してみるのも一つの選択肢かもしれません。上手く転職に成功できれば年収も大幅にアップしてキャリア形成でもかなり上位のステップに行けるので、将来的な安定もそう難しくなくなるはずです。
SEから成り上がるには多くの業界での案件を経験しておくべき
SE経験が長く様々な業界のシステム構築経験をされていると、コンサルタントとして活躍できる機会が多くなるので面接時や経歴書での印象が良くなり、転職で成功しやすくなります。
SE経験が浅い方では、お客様やSIerとの会話に溶け込めない業界特有のしきたりが理解できないことで苦労することになることにあります。業務面・技術面・管理面などのスキルを保有していることで、システムの難易度やシステムの費用の削減ということにも貢献できます。
良いコンサルタントは、納得の成果として現れる!
ITコンサルタントの基本的に担当する領域はシステム構築作業で、企画工程以降はSIerに引き継ぐことが多くなっています。そのためSIerが分析・提言したことをよりSEに伝えてシステム化を行いやすくすることが求められます。
この改善案の提案により生まれる成果は、問題解決や経営ということで顕著に表われることになります。この成果が大きければよいコンサルタントとして評価されて次回も依頼が発生することになります。
システム構築作業は、二次開発、三次開発という工程で徐々に機能改善を行うことが求められますが、その時に呼ばれることは自分の実績を積むチャンスと言えるでしょう。
ITコンサルタントとして転職を成功させるためのポイント
ITコンサルタントとして転職を成功させるためには、いくつかの条件をクリアすることが必要になってきます。以下を参考にしてみてください。
ITコンサルタントとして良い企業に勤めるには?
ITコンサルタントとして、新卒で就職する方法がありますが、求人募集企業は多くありません。システム開発経験者を優遇することも多いので、SE経験を積んだ方が優遇されることがあります。
ITコンサルタントは一部のSIerにおいてSEの延長線上の職種とみている会社もあります。システム構築という観点でも少し視点が異なる点もあるので、SEだけの業務では勤まらず、お客様が求めている成果に結びつかないことになります。
コンサルティングに必要なロジカルシンキングや理解力を深めておく
とは言え、実際にコンサルティング行うのはいつも同じ案件、というわけにではありません。企業ごとに、プロジェクトごとに抱える問題、目指すべき方向性、必要な施策は違ってきます。ITコンサルタントとして成功している人の多くは、並の人以上にロジカルシンキング能力に長け、誰が見ても明らかに成果が向上するアドバイスを立てなければ行けません。
そのためには、まずは、問題がどこにあるのかを見極める理解力を養いましょう。日々の業務の中でも俯瞰的な視点から組織やシステム全体の仕組みを捉え、コミュニケーションによって潜在的な問題を把握する、などコンサルティングに必要な能力を養うことは出来ます。
ITコンサルタントとして必要なスキル・資格
その上で、ITコンサルタントとして、押さえて保有しておくべきスキルは次の4点です。
- コミュニケーション力
- システム構築における技術/知識
- プロとしてのマインド
- 英語力
それでは、それぞれどのように必要になるのかを見てみましょう。
ITコンサルタントに必要なコミュニケーション能力
まず、その業務の特性上多くの方と接する機会があるので、ITコンサルタントにはどんな方であっても対応できるコミュニケーション力が必要です。
人と接することが苦手であれば、この件を改善しておかないとコンサルタントとして勤まることはないでしょう。
システム構築における技術やスキルの知識
また、当然のことながらコミュニケーションの中で使用する、幅広い技術や知識が求められます。会話についていけないことや、知らない用語が無いよう、コンサルタントとして常に最先端の知識を入れておく必要があります。
相手が知っている範疇のことを提案されたのであれば、それはITコンサルタントとしては失格となってしまいます。
経営者視点を持ったプロとしてのマインド
それから、受身的な姿勢ではなくプロとして対応する経営者視点のマインドを持つことも重要です。
お客様は、専門家という見方をするので、生半可な知識で対応することはお客様に信頼を得にくくなってしまいます。相手が実感するような成果を生み出さなければならないので、単純な思考で行えるほど簡単な職業ではありあせん。
グローバル化に対応出来る英語力があると尚良
また、今後増えることが想定されるグローバル化の波で、海外との連携も多くなることがあります。
相手が思っているネイティブな英語力が求められることがある場合、ニュアンス違いで成果が大きく異なることになるので、英語力も必要と言われています。
ITコンサルとして必要な資格
ITコンサルとして業務を行う上で必要な資格はありませんが、システム監査技術者試験(情報処理技術者試験)や小企業診断士は取得しておくことをおすすめします。
ITコンサルとしてのシステムを監査する能力ができることでお客様の信頼も得られるものとなります。ただし、資格がある=良いITコンサルと言うことではないので常にお客様のシステムに対してよい提案ができるような技術習得・情報収集などを欠かすことがないようにしなければなりません。
まとめ
ITコンサルは上級SEが対応するような風潮もありますが、全く異なる業務と言えます。
しかし、SE経験が必要となる分野でありSE作業経験をベースにすることが多い職種でもあります。将来的にITコンサルの職種を検討されている方は、SE経験の実績を積んで対応することをおすすめします。
企画工程という工程までの対応ですが、この後の工程につなげるシステムの良し悪しを決定付けることになるので、成果にも現れてくることになります。お客様の経営面に対いていかに貢献できるかが、この職務の魅力であり難しさでもあります。